この前、家の蔵(蔵と言っても土壁と漆喰で出来た土蔵ではなく、ただの木造の古い建物)の中を
片づけてたときに、めずらしい物が出てきました。

これです。
boubakari01
なんだか分かりますか?

これは、棒秤といいます。

うちは代々続く農家なので、
おそらく穀物などを計量するときなどに使っていたのだと思います。


boubakari02
boubakari03
boubakari06
boubakari07
長さはだいたい56.5cm。
先に量るものを吊り下げる鉤が付いていて、棒のほうには目盛が刻んであります。

boubakari04
そして、分銅がついていて、見ると「秤量貮貫」と書いてあります。
「秤量」というのは秤で量れる最大の重さです。
つまり、この棒秤は貮貫(1貫=3.75Kgなので7.5Kg)まで量れるということです。

それで、実際に量れるか試してみました。
実験に使ったのは鉄アレイ3Kg。

boubakari05
まず鉄アレイに紐をつけて棒秤のフックに引っかけます。
そして、支点の反対側に分銅を吊り下げます。
分銅の位置を動かし、つり合いがとれて棒が水平になったところが
その重さということになります。

試したところ支点から約39.1cmのところでつり合いがとれました。
この棒秤、ふってある目盛の単位がよく分からないのですが、
おそらく一目盛が10匁(1匁=3.75g)だと思います。
つり合ったところがだいたい80目盛なので計算すると、

37.5g x 80 = 3Kg

すごいですね!ちゃんと量れてます。

ところで、この棒秤、
どういう仕組みで出来ているか分かりますか?

これは「てこの原理」を使って出来ているんです。
てこの原理は、固い棒状のものを使って少ない力で大きな物を動かすことができるという非常に
簡単な原理なんですが、この棒秤はその原理を使っているんです。

先ほどの鉄アレイの実験で説明すると、
まず、棒秤を手で吊り下げてる所が支点、
鉄アレイを吊り下げてるところが作用点、
分銅を吊り下げてる位置が力点になります。

boubakari
支点から作用点までの距離が約5.9cm
支点から力点までの距離が約39.1cm

そして、この距離にそれぞれ吊り下げられてる物の重さをかけます。

鉄アレイ・・・5.9(cm) x 3(Kg) = 17.7
分銅・・・39.1(cm) x 0.45(Kg) = 17.595

※分銅自体の重さは約450g

若干の誤差はありますが、ほぼ同じ値です。
つまりこれでつり合いがとれているということです。

どうですか。
すごいですね。
自分は今回この原理を実際に確かめてみてちょっと感動してしまいました。

今の世の中、車にしろ家電製品にしろ
コンピュータで制御されたものばかりになってしまっていて、
こういったローテクの物を使う機会が少なくなってきていると思います。
しかし、こういった棒秤の技術なんかは
普遍の原理を使っていて完成された技術なんで、一生使えるというか
今後も何百年、何千年たっても使える技術で、大切なんですよね。
それに比べてコンピュータの技術なんかどうでしょうか。
10年後、20年後はまだあると思いますが、
100年後、200年後、今のコンピュータ技術が使われているかって考えたらちょっと疑問ですよね。
おそらくもっと別のものが出てきていると思いますね。

うーん、100年後、世界はどんな世の中になっているのかなぁ~。

関連する記事: